カナダではインド舞踊で有名人になりつつあるガーディープ・パンダー/ Gurdeep Pandher
この人のダンス見たことありますか?
最初にこの人を見たのはカナダのニュース番組。
もちろんガーディープはダンスをしていました。
「これってどういう踊り?」
「この人、いったい何者?」
「どうして雪の中で踊ってるの?」
いろんな疑問が浮かんできました。
しばらくガーディープがダンスしているのを見ていると、わたしの身体もムズムズ。
不思議なことに気分も軽くなってきました。
パンデミック中に踊りを通して、カナダだけでなく世界中の人達に希望を与え続けているガーディープ。
今回はいろいろな動画を通じて、カナダの有名人となりつつあるダンス・アーティストのガーディープを紹介します!
記事の中でわたしなりにカナダの「文化の多様性」がうまく表現できればと思います。
もくじ
カナダの有名人 ガーディープ・パンダーとは?
Yesterday evening I received my Covid-19 vaccine. Then I went to a frozen lake to dance Bhangra on it for joy, hope and positivity, which I’m forwarding across Canada and beyond for everyone’s health and wellbeing. pic.twitter.com/8BS0N7zVZK
— Gurdeep Pandher of Yukon (@GurdeepPandher) March 2, 2021
3月2日付けのツイッター
1回目のコロナワクチン接種の翌日に投稿され、喜びのあまりバングラダンスをしたという内容。
彼のたくさんある動画の中で多分これが一番有名かな?
この日にはアメリカのニュース番組MSNBC、視聴者が最も高い夜9時のニュースでも取り上げられていました。
カナダの有名人 ガーディープは何をする人?
一言でいうとガーディープはバングラダンスのアーティスト!
カナダの北部ユーコン在住。
パンデミック中は一日も欠かさず毎日ダンスの動画をアップロードし続けています。
毎日アップロードされる動画を待ってる人たちがカナダだけでなく世界中にいるそう。
Facebook、Instagram、Twitter、YouTubeなどを通して約20万人のフォロワー。
カナダの他にフィンランド、デンマークそして日本にも彼のファンはいます!
オンラインだけでなく、実際に出かけてダンスのレッスンをすることも。
ホッケー選手、カナダの陸軍・海軍そして地方自治体の警察などにもレッスンに出かけて行きます。
ユニフォームを着たいつもは強面だろう警察官たちが、必死にバングラダンスをしている姿は微笑ましいとしかいいようがありません。
ガーディープはバングラダンスを通して joy/ うれしさ、hope/ 希望、 positivity/ 前向きな気持ちを広げるということでよく知られています。
Joy, Hope, Positivity は彼が一番大切にしているメッセージではないでしょうか。
カナダの有名人 ガーディープのバックグラウンドは?
ガーディープはインドの北部パンジャーブ地方出身。
彼がバングラダンスを始めたのは17歳の時。
ガーディープは2006年にカナダに移住、5年後の2011年に正式なカナダ国民に。
この間は政府でIT技術者として働いていました。
旅行で立ち寄ったカナダ北部のユーコン州に一目惚れ。
2012年にユーコン州ホワイトホースに引越してから10年、今ではすっかりユーコンの住民です。
彼のTwitterの名前はGurdeep Pandher of Yukon
わたしも日本からカナダに引っ越したのが2006年なので、ガーディープさんにはちょっとした親近感を感じます。
カナダの有名人 ガーディープの動画への人々の反応
以前からガーディープさんが動画をあげると、楽しみにしている人たちはいました。
2020年にコロナのパンデミックが始まってからは、彼のところにたくさんのメッセージが届くように。
オンラインメッセージだけではなく手書きのハガキ、カード、手紙や絵まで送られてくるそうです。
動画への反応の内容
ガーディープさんのところに送られてくるメッセージのいくつかの例。
彼は毎日このようなメッセージを受け取り続けます。
①妹が入院中
妹が入院中の病院で動画を見て、久しぶりに笑った!
②パンデミック中に働き通しの疲れた医療関係者
動画を見て、元気がでた!
③家族がコロナにかかり集中治療室にいる
集中治療室にいる母親のためにバングラダンスを捧げてほしい。
④配偶者を失った
次回ダンスをする時は、わたしの家族のことを思いながら踊ってほしい。
⑤アメリカの大学生
リサーチプロジェクトの大変さに圧倒され、感情のコントロールがきかなかった。動画のダンスを見た後、気持ちがとても楽になった。
⑥職業柄、多くの死や苦しみを目の前にする外科の執刀医。
踊りの動画を見てよろこびを感じることができた、お礼が言いたい。
⑦カナダ、ニューファンドランド州に住む母親。
息子とそのパートナーを交通事故で亡くした。踊りを亡くなった息子たちのためにぜひ捧げて欲しい。
動画への反応に対するガーディープの気持ち
最初は人を喜ばせたり、ちょっとした楽しみのために作っていた動画。
視聴者からのメッセージを読むにつれ、私たちはいかに多くの苦しみを抱えながら生きているのかと驚いたとも。
こういったメッセージを読むことは彼のダンスの意味と重要さを考えるきっかけになりました。
そして大切なことは動画が視聴された回数ではなく、それがどのように一人一人の生活に影響しているかだと言っています。
カナダ・文化の多様性とガーディープ
カナダは文化の多様性を大切にしている国です。
周りを見渡せば、親または祖父母の世代でカナダに移民した人達は大勢います。
それぞれがコミュニティを作り、1世がいる家庭では出身国の言葉が話されています。
わたしは自宅で小さい子どもたちを預かるデイケアを経営しています。
子どもとその親はカナダで生まれ育っているのでもちろん英語はペラペラ。
別に暮らしている子どもたちの祖父母にもわたしがたまに会う機会があることも。
祖父母の中には大人になってからカナダに移民してきた人たちも多いので、彼らの英語は強い訛りがあります。
こんな環境なので今でもターバンを頭に巻いているガーディープ。
カナダ・ユーコン在住の有名人、New Canadian/移民のカナダ人として、多くの人たちから受け入れられています。
( CTV News より引用)
この人はHarjit S Sajjan、カナダの国防大臣。
国防大臣といえばかなり国の要職ですよね。
彼も同じくインドからの移民、シーク教徒なのでもちろん普段ターバンをつけてますよ。
2人ともカナダ人として大活躍していますが、あくまで自分のルーツを大切に。
そしてカナダではそれが当然のこととして通っています。
カナダの有名人 ガーディープ・パンダーが伝えたいこと
ガーディープがBC州ビクトリアでダンスを教えたあとに警察官たちに伝えたメッセージ。(この記事の中のYoutube)
これに彼の伝えたいことがぎゅっと詰まっているのではないかと思い、わたしはとても感動しました。
そのメッセージを日本語にしてガーディープの紹介を終わりにしたいと思います。
During the present time when we have the pandemic and also growing social divisions, thanks for dancing for happiness, hope, belonging and unity-in-diversity! When we dance or do things together, it brings people together. It increases joy, positivity, understanding and also promotes mutual respect. It builds those cross-cultural bridges which are very important these days. So thanks for this initiative to spread the message of diversity, inclusion, happiness, respecting differences and building positive race relations. Thank you!
(日本語訳 かなこ版)
コロナのパンデミック中であり、わたしたちが住む社会の分断が進んでいるように思われるこの時期に幸せ・希望・相互信頼・そして多様性の結束のために踊ってくれてありがとう!一緒に踊ったり何かをするのは、わたしたちを結びつけるよね。その上喜び、前向きな気持ち、分かりあうことやお互いを気遣うことが増えるよ!とくに最近大事なことだけど、異文化同士の橋渡しの役目もするよ。
- 多様性の受け入れ
- 幸せ
- お互いの違いを認める
- 前向きな人種間の関係
この4つのメッセージを広げるための機会を作ってくれてどうもありがとう。本当に感謝してるよ!