カナダの公用語は【英語とフランス語の2ヶ国語】カナダ人てみんなバイリンガルなの?

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カナダでは英語だけではなく、フランス語も公用語だって知ってましたか?

公用語が2つあるということはどういうこと?1つの場合とどう違う?カナダ人はみんな英語とフランス語を話すの?どうして英語だけではないの?

わたしはカナダの公用語が2つと聞いた時、こんな感じで疑問に思いました。

実際に暮らしてみてわかったことや感じたこと。

ーカナダのどこで暮らすかによって、英語とフランス語のバランスの割合がかなり違う

ーカナダ政府の関連資料はすべて英語とフランス語の2ヶ国語で書かれている

ーお菓子から薬のパッケージ、家電の説明書などカナダ国内で販売されているものはすべて英語、フランス語の2カ国語で書かれている

ーフランス語が話せなくても英語が話せれば生活には困らない (ケベック州の田舎は例外)

ー英語とフランス語のバイリンガルはカナダ人でもそんなに多くない (オンタリオ州とケベック州の州境は例外、オンタリオ州の首都オタワとケベック州の大都市モントリオールにはバイリンガルがとても多い)

すぐ隣の国のアメリカの公用語は英語のみ。

 

カナダでは英語だけでなく、どうしてフランス語も公用語となったの?

もくじ

カナダの簡単な歴史

カナダが英語とフランス語の2ヶ国語を公用語として使用しているということは、カナダの歴史に大きく関わっています。

ここで簡単なカナダの歴史の一部を紹介しますね。

 

17世紀初めの頃、原住民しか住んでいなかったカナダ東部にフランス人が入植。今のケベック州のあたりを支配し始めることになりました。

当時世界中の至るところで植民地化をめぐり、イギリスとフランスの対立が起こっていました。カナダでも同様にイギリスが攻め入ってきて戦争が起こることに。

その結果、フランス軍が敗れカナダのケベック州もイギリスの植民地に。

イギリス政府はここケベックで穏健政策をとり、1774年にケベック法というものを制定。ケベック州をイギリス化せずフランス民法典を存続することを認めました。

これがケベック州に今でも多くのフランス系の人が住みフランス語を使って生活しているという理由なのです。

 

もともと英語を使う人々のみ住んでいたわけではありません。

英語を使うイギリス系住民とフランス語を使うフランス系住民の2つの勢力があったので、2つの言語が使われるようになったということです。

カナダの国の方針:英語とフランス語のバイリンガリズム

a picture of Triscuit box  (クラッカーの箱の表と裏、写真左がフランス語表記、右が英語)

Bilingual/バイリンガルという言葉はよく聞きますよね。

カナダの場合のバイリンガルは、英語とフランス語です。日本で使われるバイリンガルは、英語を話せるという意味でよく使われている気がします。

 

この「バイリンガリズム/2ヶ国語併用」がカナダが重要視する様々な文化と多様性の受け入れというとても大事な部分を表しています。

ふだんあまり気にしていなくても、こんな時カナダは「バイリンガリズム/2ヶ国語併用」の国だと思い出すことになります。

  1. カナダでは売られているもののパッケージがポテトチップなどのお菓子からクスリ、家電の説明書まで全て英語、フランス語両方で書かれています。
  2. カナダ政府から送られてくる書類は全て英語、フランス語両方で書かれています。
  3. 病院、銀行、航空会社、テレビのケーブル関係、携帯電話の会社、その他の会社に電話をするとまず自動応答に繋がり、英語とフランス語の両方のメッセージが流れます。そして番号を押してどちらかの言語を選びます。

ときどき、「ここまでする必要はあるのかなあ?」と思うことはありますが「英語、フランス語どちらでの言語でも必要な情報を得られるようにというカナダ政府の方針なのです。

「わたしは、日本語と英語のバイリンガル!」とときどきカナダ人に冗談でいっています^^

わたしはフランス語が話せないということをバイリンガルの人に冗談で言っているのに「日本語が話せるなんて本当にクールだ、教えてくれないか?」と言われてびっくりしたこともありました。

「フランス語ができても全然つまらない」というようなことも言っていましたよ。それくらいバイリンガルの人は多いということですね。

フランス語はカナダのどこで話されてるの?

Canada map

(カナダの地図、赤い部分がケベック州)

西の方にあるブリティッシュ・コロンビア州のヴィクトリアに住んでいた時は、フランス語を話す人がわたしの周りにはいませんでした。

フランス語を聞いたことも全然ありませんでした。

 

カナダ全体では英語・フランス語のバイリンガルは17%くらいです。

そしてほとんどのバイリンガルは、オンタリオ州の首都オタワ周辺とケベック州の大都市モントリオール近辺とその2つの都市間に住んでいます。

 

わたしはオタワに住んでいます。ここに住んでいると英語・フランス語のバイリンガルが多いことにとても驚かされます。

お店に買い物に行くと、「Hello Bonjour! ハロー ボンジュール!」と2カ国で挨拶されることもしばしば。

店員さんはもちろんバイリンガル。返ってきた挨拶によって、英語かフランス語を使って話し始めます。

 

わたしの周りでは夫がこのカナダ版バイリンガル。

ケベック州とオンタリオ州の両方で育ったので、友達と遊ぶためにフランス語と英語を身につけたという例。必死だったそう。オンタリオに引っ越した9歳の頃は全く英語が話せなかったと言っていました。

オタワに関しては、フランス語系の人たちはほとんど英語も話します。わたしといつも英語で普通に話していた人がある時、フランス語で別の人と会話をペラペラしていました。

わたしは驚いて、「フランス語も話せるんだね!」というと彼女は「知らなかった?母親がフランス系だからね」と。

 

自慢することも全くないし。例えれば「ときどきメガネも使ってるよ、見たことなかった?まあいつもはコンタクトが多いかな?」みたいな感じです。

バイリンガルの知り合いは、「フランス語は学校で習う。英語は友達と話したり、テレビから習う。英語を習うのは簡単」と言っていました。

 

カナダのイケメンなトルドー首相も完璧な英語フランス語バイリンガル。フランス語のおひざ元ケベック州出身、西のブリティッシュ・コロンビア州で働いていたことも。

ニュースで見ると、英語・フランス語を時と場合でとても上手く使い分けています。

彼はお父さんも元カナダの首相だったということもあり、バイリンガルな環境で育ったこと間違いないです。

【カナダのトルドー首相】ここまでイケメンと呼ばれる本当の理由は?

2019.06.14

 

学校の選択にみるカナダの2ヶ国語主義

Classroom with desks

カナダに引っ越してきてとても不思議に思ったことは、子供の小学校を決めるときのことでした。

同じ校区内に英語の小学校、フランス語の小学校がありどちらかを選ばなければなりませんでした。どちらも公立の小学校です。

ここでもまたカナダの方針、「英語、フランス語どちらでの言語でも必要な教育を受けられるように」という考えが反映されています。

 

うちの子供達は英語の小学校に通いましたが、3軒先の家の子供達はフランス語の小学校に通っていました。一緒に遊んでいる時は英語を使っていましたよ。

言葉は学習して身につけることもできますが、子供達が遊びながら話せるようになるのが一番自然な方法なのではと思いました。

カナダの公用語は英語とフランス語のまとめ

2016年の国勢調査の結果はカナダでは約56%の人が英語を、21%の人がフランス語を母国語として使っているということを表しています。

そしてその中で英語フランス語のバイリンガルはわずか約17%

数字からみると、残りの22%の人は英語フランス語以外の言葉を母国語として使っているということになります。

公用語を英語、フランス語の2つ持つという方針がカナダの多様性を受け容れるという大きなシンボルのような気がします

 

実はカナダにきてすぐ、3ヶ月間のフランス語のクラスに入りました。なんとか最後まで通いましたがフランス語の文法の難しさにギブアップ!

フランス語を勉強する時間を、英語の勉強に当てようと思った次第です(*v.v)

いつか機会があれば、またフランス語を習ってみたいと思っています。ここに10年以上住んでいることでフランス語を聞くのは少し分かるようになりました。

 

カナダのフランス語のスラング(俗語または砕けた表現)もいくつか教えてもらうことに。

わたしもカナダのバイリンガル政策の恩恵を知らないうちに受けているようですね^^