冬季うつって聞いたことありますか?
「冬になるとほかの季節より、なんだか眠かったりいつも疲れているような感じがする」
これは冬季うつの症状のひとつです。
冬季うつ一番の原因は、冬は日照時間がほかの季節に比べてかなり短いこと。光によって生産されるセロトニン不足が大きな要因と言われています。
カナダは日本と同じ北半球でも、緯度が高く冬は特に日照時間の短い北国。
冬季うつの発症率が高いことがわかっています。
海外ではカナダと同様に、ヨーロッパでも北の方に位置する国々に同じ様な傾向がみられます。
カナダ人の25%~35%が冬になると身体や精神的に変調をきたす(winter blues:冬に憂鬱な気分になりやすい)という結果も出ています。
その時のことをふりかえると、1回目の冬に比べて外の雪の光景を見ると悲しかったことをよく覚えています。
カナダ人も含めて誰でもかかるかもしれないという冬季うつ、今回は
- 冬季うつの症状
- 冬季うつになりやすい原因
- 冬季うつにならないための対策
- もし冬季うつになったら
を紹介します。
もくじ
カナダの冬 冬季うつの症状
冬季うつにはいくつかの症状があります。
冬季うつの一般的な症状
- 睡眠時間が長くなり、いつも眠い
- 食欲が旺盛で、とくに甘いものや炭水化物が欲しくなる
- なんとなくだるい
- 気分が落ち込み、無気力となる
- 自己否定的になる
- 集中力が低下する
- イライラする
- 人と会いたくない
こういった症状の正式な名前は季節性感情障害と呼ばれています。
英語だとSeasonal Affective Disorder、省略するとSAD。
SADって日本語にすると「悲しい」ですよねぇ(>_<)
冬季うつ わたしの体験談
わたしの冬季うつだったのかな?と思う体験談です。
引っ越し後最初の冬は、いろいろなことが珍しくワクワクでした。今では考えられませんが、雪が降っただけで嬉しかったくらいです。
ほとんどのことが初めてやることばかりでした。
初めてのそり遊び、スケート、ホッケー観戦、カナダでのホワイトクリスマス、その他北国ならではの冬の行事に参加して思ったより楽しい冬を過ごせました。
そんなことを思っていました。
ところが2回目の冬はというと?
雪で真っ白の外の風景を見るとときどき悲しくなりました。どうしてこんなに雪ばかり降るんだろう、いつまでこれが続くんだろうと。
朝も暗いし、夕方も早く暗くなる、、、 なんだか気が重い。
子供たちの水泳のクラス、ホッケーの練習・試合などの送り迎えも夕方週に3回くらいありました。
雪がたくさん降ると、当時のわたしには車の運転が恐怖。夫に仕事から早く帰ってきてもらうように頼んだり、子どもに謝ってお休みにしたり。
車の運転が必要なときには、前日から天気予報とにらめっこ。天気なので予想されていたのとは変わって何度も慌てたことも。
とにかく冬の車の運転はストレス以外の何物でもありませんでした。
ホームシックも重なっていたかもしれません。
外に出るときは、コート、防寒用の重いブーツ、ニット帽、手袋、マフラーが必須!
2月の終わり頃には、軽いスニーカーをさっとはいて外に出てみたいと何回思ったことか!
当時家にいて何かをしようと思うと、あまり集中することができませんでした。
わたしはわりと本を読むのが好きです。好きにしていいという時間があると、まず本を読みたいと思います。
その頃は本を広げて2,3ページ読むと、「掃除をした方がいい」と思います。そして掃除をし始めると、「買い物に先にいっておこうか?」
こんなことの繰り返しでした。別に日常生活に支障がでるほどではなかったですが、今考えると
- なんとなくだるい
- 集中力が低下する
- 気分が落ち込む
にあてはまっていました。
カナダの冬 冬季うつになりやすい原因
冬季うつには日照時間の減少、気温低下が大きく関係あるといわれています。
カナダ(ほとんどの地域)は夏時間を採用しています。
夏時間が終わるのが毎年11月の第1日曜日。
この夏時間が終わると、急に夕方暗くなり始めます。それまでに比べて1時間早く暗くなるわけです。
気温も下がり始め日照時間は減ってきています。でも11月、特に12月はクリスマスを控えた1年中でとても楽しい時期。
クリスマスの飾りつけをしたり、プレゼントを準備したりして忙しく過ぎていきます。
そして多くの人たちが、クリスマス・お正月休みを家族や親しい友人と楽しんで過ごします。
変わって、楽しい休日が終わってしまい特に何も行事のない1月。
多くのカナダ人にとってあまり嬉しくない、というかかなり恐れていることが1月にやってきます。
それは12月にクリスマスプレゼントの買い物に使ったクレジットカードのやりくりをすること。
カナダでは、クリスマスのプレゼント交換が派手に行われます。
このためクレジットカードの返済金額もビックリするほど多いというパターンもよく聞きます(-_-;)
カナダの冬 冬季うつにならないための対策
カナダの冬の厳しい気候に慣れたカナダ人でさえ、25%~35%の人たちが(程度の差はあれ)経験する冬季うつです。
友人とこの話題について話をしたり、ニュースを聞いたりして冬季うつ予防にはいくつかの対策があることを知りました。
わたしもこの中のいくつかは11月の初めくらいから、なるべく意識して実行するようにしています。
- 日中、なるべく太陽の光にあたる
太陽の光にあたる事が冬季うつには一番効果があると言われています!晴れた日には少しでもいいので自然の光にあたりましょう。
自宅や職場の照明を明るいものにするのも大切です。
- 運動を習慣にする
運動することによって爽快感がえられます。
寒い時期はあまり運動したくないかもしれませんが、運動によって体と気持ち両方ににもたらされる効果はとても大きいです。
- 日中、カーテンやブラインドは開けておく
カナダは冬の間、日照時間がとても短いです。雪が降る日は曇りなので、太陽が出ていません。
晴れの日には最大限、自然の光が室内に入るようにしておくといいです。
- 食べるものに気をつける
バランス良く普段からの食事をすることは大切ですが、冬季うつ予防にはバナナ・プロセスチーズ・豆乳などが良いといわれています。
寒い時期は甘いものを食べたくなるので、糖分は意識して控えめに。
- ビタミンDをサプリメントでとる
カナダでは冬の間、サプリメントでビタミンDをとる人が多いです。
わたしもドクターに勧められました。
日光浴不足、ビタミンD吸収障害、肝障害や腎障害による活性型ビタミンDへの変換が行なわれない場合、乳製品のない菜食を継続する場合[46]、ビタミンDが欠乏し、カルシウム、リンの吸収が進まないことによる骨のカルシウム沈着障害が発生し、くる病、骨軟化症、骨粗鬆症などが引き起こされることがある。
ビタミンDの不足は、高血圧、結核、癌、歯周病、多発性硬化症、冬季うつ病、末梢動脈疾患、1型糖尿病を含む自己免疫疾患などの疾病への罹患率上昇と関連している可能性が指摘されている。
(引用 ウィキペディア)
・友人や家族と一緒に時間を過ごすようにする
友人や家族と一緒に楽しい時間を過ごして、繋がっていると感じる温かい気持ち。これは太陽の光と同じくらい大切です。
自分で無理のない程度に友人を誘って一緒に食事をする、自宅で親しい友人だけを呼んで小さなパーティーをしてみる。
あくまで、無理のないように。
- 習い事をしてみる
週1くらいで、趣味の習い事をする。そのために自宅から出かけなければならず、いつもの日常生活とは違った人と会うことができます。
わたしは、1月~3月の3ヶ月間はなるべく週に一度ヨガのクラスをとります。夜の7時から50分。寒くて本当に出かけたくないときがあります。
クラスは楽しいのですが、家から出るのがまるで修行(-_-;)
いったん家から出てしまえば、いつもと違う人たちと交流&エクササイズで一石二鳥です。
- To doリストを作る
To doリストを作ることによって何をするべきかが分かります。ダラダラしないように、リストにチェックマークが入るようにやることを進めます。
作業が進むと、達成感があり気分が落ち込むことを減らせます。
- バスタブがあればお風呂に入り体を温める
日本にいるときと違い、カナダではシャワーだけですませることも多いかもしれません。
たまには時間をかけてバスタブに熱めのお湯を入れ、ゆっくりお風呂につかってみるのはどうですか?
体自体も温まるし、何より気分が落ち着きます。
【鬱になりそうな時にやるべき事】
・暖かいココアを飲んで8時間寝る
・嫌いなものから距離を取る
・お風呂にゆっくり入る
・朝起きたら日光を浴びる
・美味しいものを食べる
・自分のことを一番に考える
・とにかく自分を優先する
・何よりも自分を守るあなたより大切なものは無いからね。
— 佐谷 (@saya_CRO) December 28, 2019
- スキー、スケート、そり遊びなど冬にしかできない遊びを楽しむ
気候はどう頑張っても変えられません!
だったら寒い冬とお付き合い、そしてできれば楽しむしかないです(^_^)
冬にしかできない遊びが上手になるように練習していたら、週末は忙しくなるかもしれません!
- 南の島へ1週間くらい行く
ちょっと意外かもしれませんが、これカナダでは多いパターンです。
1週間くらいのパッケージツアーで、メキシコ・キューバ・フロリダなどにカナダの寒さから避難。
わたしは今までのところこういったツアーには出かけたことはありません。
あまりにも気分がみじめだったら、暖かいところで1週間くらい毎日日光浴をするのも納得がいきます。もし時間とお金に余裕があったらですが。
カナダの冬 もし冬季うつになったら
寒くて暗い冬は気持ちもどちらかといえば下向きです。
同じように感じている人たちが周りに大勢います。
もしあまりにも数日間気持ちが感情的になったり、仕事や日常生活に支障をきたすようであればクリニックまたはファミリードクターに行くことをおすすめします。
①Telehealth Ontario 1-866-797-0000(州による無料サービス、年中無休、英語・フランス語のみ)
この番号に電話すると看護師さんと話すことができ、いくつかの質問を聞かれます。
その答えにより看護師さんが
- 自分でもこの症状に対処できる
- ドクターに会う
- コミュニティサービスに連絡をとる
- すぐに病院の緊急医療に行く
などのアドバイスをしてくれます。
自宅にいて電話1本で利用できるサービスなのでとても便利です。
私も過去に、子どものインフルエンザやけがに関してこのサービスを利用。電話に出た看護師さんはいつもとても親切だったのでとてもおすすめです。
あくまで、サービスは次のステップのアドバイスのみでカウンセリングはありません。
応対は英語とフランス語のみです。
②Japanese Social Services(ジャパニーズ・ソーシャル・サービス)
日本文化を背景に持ちながら異文化の中で生活している方々のために、英語と日本語でサービスをしている非営利団体です。サービス内容はカウンセリング、情報提供、関係援助機関の紹介、セミナー、擁護活動などです。
日本語で話がしたいという場合はこちらに連絡とってみるのもいいかもしれません。
カウンセリングも日本語で受けることができます。(費用はホームページ内に書かれています)
連絡先
カウンセリングについて
Tel: 416-385-9200
Takanori Kuge (Counsellor):Takanori.Kuge@jss.ca
Japanese Social Services(ジャパニーズ・ソーシャル・サービス)ホームページ
個人的には今までにこのサービスは利用したことがありません。
オンラインカウンセリング利用
ビデオや電話でカウンセリングを受けることができる日本の会社の日本語でのサービスです。
海外に住んでいるカウンセラーもいます。
プロのカウンセラーに話を聞いてもらうだけで、気持ちが落ち着く・別の視点から状況がながめられるなどがあるかもしれません。
オンラインカウンセリング cotree
まとめ
冬の後はかならず春がやってきます!頑張ってカナダの長い冬を乗り越えたいです(^_^)
- 冬季うつの症状
- 冬季になりやすい原因
- 冬季うつにならないための対策
- もし冬季うつになったら